月刊誌バックナンバー

きらりと KIRARITO 秋冬号

きらりと KIRARITO 秋冬号表

きらりと KIRARITO 秋冬号裏

前回のきらりとのテーマ「腸と不眠のとても深い関係」はいかがでしたでしょうか。
良い睡眠のために、食事や運動量を見直すだけでなく、睡眠ホルモン「メラトニン」のもとになる「セロトニン」を作るために乳酸菌などのプロバイオティクスを摂取することで、腸内環境づくりに取り組んでいただけていましたら嬉しく思います。
さて、今回は腸内環境シリーズ第5弾「免疫力アップは良い腸内環境から!~腸と免疫のとても深い関係~」です。
免疫力について研究が進んだ結果、腸と免疫は密接に関係していることが分かってきたのです。
皆さんの腸活、かがやく日々のお役に立てればと存じます。
ぜひご一読ください。


免疫力アップは良い腸内環境から!~腸と免疫のとても深い関係~


腸は免疫の中心⁉

腸というと消化や吸収を行う臓器というイメージが強いですが、実はヒトの免疫を担う免疫細胞の7割がこの腸に存在しており、いわば「免疫の中心」ともいえる臓器です。
なぜ、こんなに多くの免疫細胞が腸に存在しているのかというと、ヒトの消化管は口から肛門まで1本の管となっています。つまり、外とつながっている口と内部にある食道や胃、腸などの臓器はつながっているのです。
そのため、口から食べ物だけでなく、菌やウイルスも取り込んでしまい、体調を崩してしまうリスクにさらされているのです。
そういった身体に不調をきたすものをブロックするために、腸には免疫細胞や、ウイルス、病原体と戦う抗体が数多く存在し、私たちの身体を常に守ってくれているのです。


小腸と大腸どっちが大切?

免疫細胞のうち、5割は小腸。2割は大腸に存在するといわれています。
小腸には多くの免疫細胞が腸壁や粘膜の下に集まっており、ウイルスなどをブロックする免疫の最前線の要として機能しています。
また大腸には、腸に存在する約1,000種類・100兆個の菌の約9割が存在するといわれております。
実は、最近の研究によると、この「腸内細菌と免疫細胞はお互いに影響を与え合っている」ということが分かってきたのです。
腸内細菌のバランスがいいと免疫細胞が活発化され、病原体と戦う抗体が生み出されやすく、そして、腸の免疫細胞が良く働いていると腸内細菌のバランスが良くなります。小腸と大腸はどちらも免疫にとって重要な役割を担っているのです。


バランスの良い腸内細菌とは?

腸内に存在する菌は「善玉菌(有用菌)」「悪玉菌(有害菌)」「日和見(ひよりみ)菌」の3種類に分けることができます。
これらのグループは、私たちの腸の中でお互いに影響を与え合いながら、増減を繰り返しています。
例えば、乳酸菌などの善玉菌は、乳酸を産生することで腸内を弱酸性にし、病気の原因となる悪玉菌の増殖を防いでくれます。他にも免疫を活性化する役割がある酪酸・酢酸など短鎖脂肪酸を産生し、腸内環境を整える働きもあります。
また、日和見菌は腸内で一番数の多い大多数派の菌であり、善玉菌・悪玉菌のどちらにも属しませんが、良い働きも悪い働きもする菌です。善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢なグループと同じ働きをするため、善玉菌を優位にすると、日和見菌を味方につけることもでき、悪玉菌の増殖が抑えられます。
このことから、バランスの良い腸内細菌とは善玉菌・悪玉菌・日和見菌の割合が「2:1:7」が理想的とされています。
つまり、免疫力をアップさせるには、この優柔不断な日和見菌を味方につけるために乳酸や短鎖脂肪酸の産生を行う善玉菌優位な環境を作り、腸内細菌のバランスを整えることが大切です。
そのためには、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌や、善玉菌のエサとなる食物繊維を摂取するのがおすすめです。
そして、食事から摂るのが難しいときは、サプリメントなどを活用してみましょう。


バックナンバー一覧へ戻る